2020年春から各社5Gサービス開始時期と価格
5G開始時期の動向
ようやく5Gが開始される季節となりました。2019年からプリリリースされた5Gですが、実質使えるのはこれからとなります。というのも日本で5G対応機器が発売されるのはこれからです。そして料金コース発表の皮切りは3/3に発表予定の楽天モバイルでしょう。その発表内容を見てから主要な3社(ドコモ, au, ソフトバンク)から新たに5G対応の料金コースや4G LTE対応の料金コースが出てくるとものと思われます。しかし、現在までにMNOの社長の発言された内容から4G LTEと以下の点で変わってきそうな気がします。
- 5Gはパケット無制限
ただし本当の5Gはこれからなので最初は無制限でない可能性がある - 既存4G LTEより高い価格設定
MNOは4Gより高価格
なぜ5Gが4Gよりも高い価格となるのでしょうか?それはMNOの利益のためという一言につきます。まず5Gの基地局設置やNW設備への投資を回収する必要があります。そのため4Gよりも低い価格になるということはありえません。また、現行よりも低い価格にすると利益の低下となります。しかし、期間限定のキャンペーンで4Gと同じ価格程度にする可能性はあります。
MVNOの5Gは速度が遅い可能性
また総務省からの指示で4月からMVNOにも5G回線が提供されますが、最初は現行契約の延長で利用する方針ではないか?とi-simTripは予想しています。現行機器で無線部分のみ5Gとなるような仕組みとなり、MNO~MVNOの相互接続点(POI)が太い帯域となるわけではないのでは?という理由です。もう少し先になれば詳しくわかってきますので楽しみに待ちたいと思います。
楽天モバイルは6月から5G
楽天モバイルは3/3に料金コースを発表されました。4/8から開始されますが、5Gのみ6月からです。
料金コース名はRakuten UN-LIMITとなります。
- プラン料金: 1年目は無料。2年目以降\2,980/月(税別)
- データ容量: 国内->完全使い放題。国内パートナーエリアと海外->2GB。
- 国内通話: 通話かけ放題
- 海外通話: 海外から国内通話はかけ放題
国内/海外から海外通話 \980/月 - SMS: 国内、海外使い放題
通話に関してはRakuten Linkアプリを使った場合のみとなります。
1年目が無料となるのは300万名が対象とのことです。増減あるかもという但し書きもあり、本日明日には申し込み開始されますので早めに申し込む方がいいかもしれません。
5Gの実装機能動向
5Gのエリアや速度について
5Gのエリア
エリアはドコモに絞って説明します。対応エリア以下の通りです。
ドコモショップ | 一部のドコモショップ店舗 |
---|---|
ドコモ5Gオープンラボ | ドコモ5Gオープンラボ |
スタジアム、球場 | 札幌ドーム、東京スタジアム、横浜国際総合競技場 小笠山総合運動公園エコパスタジアム、豊田スタジアム、東大阪市花園ラグビー場 阪神甲子園球場、神戸市御崎公園球技場、大分スポーツ公園総合競技場 MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島、福岡 ヤフオク!ドーム |
駅 | 札幌駅、仙台駅、金沢駅、大阪駅、京都駅、高松駅 |
空港 | 東京国際空港、成田国際空港、関西国際空港 |
2020年6月末までに、全国47都道府県へ5G(無線)基地局を展開し5Gエリア化予定。
2020/3/5追記
本日ソフトバンクから5Gサービスと新機種について発表がありました。エリアは以下の個所(ほんの一部)の模様です。
千葉県成田市
千葉県柏市
千葉県富里市
東京都千代田区、中央区、台東区、文京区
石川県金沢市
石川県白山市
石川県野々市市
愛知県名古屋市
大阪府大阪市
広島県広島市
広島県福山市
福岡県福岡市
詳しくは以下のURLにPDFがあります。
https://cdn.softbank.jp/mobile/set/common/pdf/network/area/map/5g-area.pdf
5Gの速度
速度もドコモに絞って説明します。5Gの最高速度は以下の通りです。
最大通信速度 | ||
---|---|---|
ミリ波 | 受信時 | 3.2Gbps |
送信時 | 202Mbps | |
Sub6 | 受信時 | 2.4Gbps |
送信時 | 107Mbps |
2021年までNSA見込み
何度も5G関連ニュースで出ているのは知っている人もいると思いますが、5GはNSAとSAという2つの仕組みが用意されております。NSAはコア部分を4Gで通信し、ユーザが実際に使う部分が5Gとなる仕組みです。4Gが絶対に必要な5G利用となります。これは4Gから5Gへスムーズに移行するために用意されました。それに対してSAは5Gのみで利用する仕組みです。これが本当の5G回線となりIoT機器を多重接続、低遅延が実現された状態となります。2020年に開始する最初の5GはNSAとなり4Gよりも高速回線になるだけというイメージでとらえてもらえればと思います。
また、今年発売予定の搭載スマホのX55チップにDSSという機能があります。これを使うと現在4Gで利用している周波数をシェアし5Gでも利用可能になります。基地局側でもそれに対応するのは早ければ今年後半もしくは2021年からではないか?と思われます。2021年には広いエリアで5G接続可能(つまりプラチナバンドで5G接続)になると思います。
本当の5Gは2022年から
IoTが多数普及するSAを基地局で提供する本当の5Gは日本では早くても2022年後半からではないか?と予想します。NSA状態でサービス開始され2021~2022年に5G対応でミドルグレードのスマホと同時に5Gエリアの急速な普及を進め、2022年~2023年にSAの基地局展開が始まると思います。ここでようやく多重接続可能となりますのでパケット無制限な料金コースやIoT対応の安い料金コースが出てくるのではないでしょうか?
5G購入時期別の利用可能
基地局側はNSAで開始されますが、スマホ側から考える今年から普及する機能は以下となります。まず第二世代チップとなり5Gだけでなく4Gや3Gなどのマルチ対応したチップとなります。このチップにはDSS機能が搭載されており4Gの周波数を5Gでシェア出来ます。そのため700~900MHzのプラチナバンド、1.8GHz or 2.1GHzなどの既存周波数で5G利用が可能なります。そのため5G対応が普及やすい機器が今年からようやく発売されます。しかし5Gで高速通信だけが可能です。この時期はSub-6だけに対応した5G対応機器とSub-6とミリ波両方に対応した5G対応機器の2種類となるでしょう。また音声通話は引き続きVoLTEとなります。そのため音声通話中はLTE通信にフォールバックされ遅くなるでしょう。
次の第三世代以降になるとVoNR対応チップとなります。音声通話はVoNRで5Gのみで通話可能となり4Gへのフォールバックは発生しなくなります。さらに5G対応機器はSub-6,ミリ波両方に対応が標準となるでしょう。
5G対応機器の購入時期はいつがいいの?
時期別の5Gスマホの機能
2020年購入すると5Gの何が使える?
最初の時期はドコモであればそれなりの主要なエリアでSub-6の3.7GHz, 4.5GHzの周波数で利用可能となると思います。ミリ波と呼ばれる28GHzは3大首都圏の主要な混雑する駅など一部で利用可能になると思います。そして単純にその周波数で利用しますので受信が微妙な場所であれば5Gと4G切り替えが発生し若干待ち状態のデメリットが発生するのではないでしょうか?
ミリ波は1つの基地局で対応可能なエリアは半径200mぐらいと非常に狭いです。また、アンテナを手で遮るだけでも影響します。ミリ波対応機器として2020年にXperia PROは発売予定ですが本体ケースが金属ではなく樹脂となります。それほど受信しにくい電波なのです。
2021年購入すると5Gの何が使える?
2021年になると5GだけでVoNRによる通話が可能となります。また2020年世代のスマホと2021年スマホでDSS対応ですので既存4Gの周波数で5G利用可能になります。現行だと4G用として許可されている周波数の5G利用は不可能ですので法改正か何かで5G提供の認可がおりたのちに一気に5G可能になるでしょう。これがほぼ可能になるのが2021年だと思われます。
また4Gと5Gとのキャリアアグリゲーション、5GでもSub-6とミリ波のキャリアアグリゲーションに対応し、移動時での速度低下が低減され安定した速度で利用できるようになります。
2022年購入すると5Gの何が使える?
それまではハイエンド機種しか対応していなかった機能が2022年以降になるとミドル、ローモデル価格帯のチップで提供が始まり5G利用ユーザが増えてくるのではないでしょうか?
SAで提供がはじまりIoTによる多重接続、無制限利用が可能となるのもこれぐらいの時期でしょう。そしてMVNOでの5G利用でもユーザが納得のいく価格と速度となるのもこの時期かもしれません。ミリ波のエリアもこの時期には全国展開されていることでしょう。県庁所在地など混雑しやすい場所だけでなくIoT契約する工場などのエリアも増えるかもしれません。
iPhone12や13のどちらを購入すべき?
一番最初に5G対応スマートフォンとして発売される機種はもちろんAndroidとなりXperia 1 II, Galaxy S20+でしょう。しかし一番シェアであるiPhoneで考えると2020年発売予定のiPhone 12となります。5G対応するQualCommのチップがX55となると最初予想されていましたが、最近ではX60チップ搭載のうわさも出てきました。個人的には発売時期から無難にX55だと予想しています。2021年予定のiPhone 13でようやくX60チップが搭載されるでしょう。
どちらにしても4Gの開始時期同様に5G機能アップが毎年される時期です。毎年買い替える人も増えるかもしれません。iPhone XやXSを持っている人であればiPhone 12は買いと言えます。日本でVoNR対応、ミリ波受信可能なエリア、4G周波数をDSSによる5G利用は2021年ぐらいだと思いますのでiPhone 12を買いさらに2年後にiPhone 14で買い替えでもいいですし、iPhone 13を買いそして2年後にiPhone 15買い替えのどちらもありでしょう。
ソフトバンクから5Gの発表
2020/3/5追記
3/5本日、5Gサービスがソフトバンクから発表されました。今までの4G料金に1000円(税抜)を5Gのための月額基本料としてプラスする形で利用出来ます。。8月31日までに加入すると「5G無料キャンペーン」として2年間無料になるとのことです。
本投稿途中に追記していますが、ソフトバンクの5Gエリアは本当に一部です。東京都内でも東京駅周辺ぐらいです。石川県が少し多いかな?という印象で、名古屋、大阪、広島、福岡の一部で使えます。
ここから言えることは現状4Gの最大50GBまでとして5Gも使うことが可能です。非常に高い価格ではあるけれど無制限をまだ普及させるつもりがないということです。予想通りでした。プランも4G LTEから料金が高くなる設定としていてキャンペーンで今までと同じ価格で使えるとうたって5G機種変更とあわせて早めに切り替えさせたいソフトバンク側の意図が見えてきます。2年後つまり2022年からが5Gの勝負年で普及価格で無制限プランが出てくるのでは?と考えられます。これから発表されるドコモもauも同じ路線でしょう。楽天モバイルから昨日ようやく発表されましたがまだまだエリアが少ないためすぐに対抗プランが出てくることはなく解約率が高くなってきてからの対応となるでしょう。[:]
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