LTE(4G)料金の現状
MNOは依然高いまま
2019年9月から5Gプレサービスがドコモから開始される状況になりました。2020年春から本格的に5Gが開始される予定となっています。ここで日本の4G、5Gの状況を掘り下げて検討していこうと考えました。去年ぐらいからキャリアの通信料金が高額なことが問題視されました。通信料金は使用するパケット量に応じて変動するプランが標準的となって、使用するサイズが大きなユーザは数十ギガなど最初から大容量のプランを利用できるようになりました。しかし本当に安くするためには月の使用量を1GB未満にする必要があります。最近のアプリは画像や動画が入っていることがよくあります。ちょっと使用するだけで数十MB消費するのもざらです。また、アプリが自動的に更新されたり、バックグラウンドで通信するようなアプリもあります。そのためよほど設定を最適化させておかないと何もしないのにパケット消費するということも十分あり得ます。そこに拍車をかけるのがスマートフォンに詳しくないユーザが増えてきている状況です。また、2年間新しいスマホの割引代金を支払っている関係上、新プランを享受できない人もいるでしょう。そういう意味で本当に価格の安いプランで使用している人はすくないのではないでしょうか?最低でも4千円~6、7千円毎月かかっている人が多いと予想できます。
MVNOは安いけど速度が遅い
その中でCMも出てきているので認知されてきているのがMVNOです。いわゆる格安SIMと言われています。ほとんどは店舗もなくWebで申し込みをするのでスマートフォンをただガラケーの延長上でしか使わない人には敷居が高いというデメリットがあります。その代わり安くデータ通信を使用することができます。しかし通話料金に関してはMVNOにするメリットが薄いのが現状で、そこが問題として総務省側からも提起されているようです。また、MNOとMVNO間を決まった速度で契約されているのですが、昼など使うユーザが多くなる時間帯はそこがボトルネックとなり混雑します。そのため混雑時間帯は非常に速度が遅くなります。それ以外の時間帯ではMNOほど高速にはなりませんがそれなりの速度が出て動画閲覧も可能です。ある意味安く利用することを第一に考えて利用しているのでそれを割り切れる人であれば非常にコスパがいいと言えます。
2020年の5G予想
最初はMNOのみ?
今の時期のニュース記事を見ているとMNOで5Gがスタートしますが、MVNOは4Gのままとなりそうな予感がします。
ドコモのサイトにはMVNOに対して5G提供時期も一緒と記載があります。
しかし、5G回線をMVNOにいくらで提供するのか?を今総務省側で話し合われている状況です。5Gを安くするもしくは4Gを安くする方向にしたいなど様々観点で話が出ています。IoTなどでも使う5Gでは通信容量別のプランではなくなることも想定できます。4G同様というわけにはいかないでしょう。そういう意味ではMVNOで5G回線を使えるようになるにはまだまだ当分先になると個人的に考えています。
5G料金プランの予想
2020年冬春モデルぐらいから5G対応スマートフォン発売が予想されています。5Gはハイエンド機器で2019年に世界で提供されました。シェアの高いクアルコムの2020年の機器に搭載される次期チップ「Snapdragon 765/765G」というミドルチップにも5Gが搭載されます。2020年に発売されるAndroidスマートフォンであれば5万~8万ぐらいのミドルエンド機器も登場してくるでしょう。この時期に日本で5Gサービスが開始され一気に4Gから5Gに移行をさせていく必要がMNOにあります。しかも5Gは4Gと違い大容量、低遅延がメリットであるため、今までような3Gや7GBといった容量プランではなくもっと大容量もしくは容量無制限のプランとして登場する必要があります。現時点では100GBまたは無制限プランが登場するのでは?と予想されています。また4Gとの差別化も必要です。そういう意味では4Gより1000円程度高くなるでしょう。単純に高くすると5Gに移行する人は少なくなるため1年間の期間限定プランとして安く提供して5Gに移行する魅力を高めるでしょう。そして5G移行ユーザが一定に達した後は限定キャンペーンを廃止して高い料金プランにするのでは?という記事が出ています。
この見解は確かに説得力があります。別途IoT機器向けのプランも後で登場すると思いますが、個人的にもその通りではと思います。例えば1年だけ大容量の4Gプランと同じ価格にして無制限で5Gの高速通信が可能とか広告が出そうですよね。もしくはNetflixとかもセットされて無制限に動画閲覧できるとか。
5Gのエリア
総務省に提出されている計画書では2020年開始時点では少ない基地局数でした。しかしドコモでは大幅な前倒しとなっています。ソフトバンクも前倒ししますが、ドコモほどではありません。ドコモの場合、2020年6月まで47都道府県に1万局を予定しています。auは2021年3月までに1万局予定です。個人的予想ではドコモの場合都心部が一番多く、政令指定都市、県庁所在地が最初のエリアになると思います。
auやソフトバンクでも同様でしょうが展開は都心部が一番多いのは当然で地方はほとんどが後回しと予想しています。auの場合、今までの経験上新しい基地局を都心部の一部だけに展開しますが、具体的な場所は公表せず本当に言葉通り一部かなと考えています。対してソフトバンクはauよりも展開するかもしれませんが、似たようなスピードでしょう。また3社とも一部の法人契約している企業で5Gを使う場合、その地方のエリアにのみ5G展開することは変わりありません。
ドコモの場合、3.5GHz帯の展開スピードと予想できます。地方の県庁所在地に住んでいる人は5Gを享受でき、それ以外のユーザは5G対応のスマートフォンは単純に性能の高い最新機種という意味でしか使えないでしょうね。LTEが開始された当初と同様です。早めに5Gを使いたい人はドコモ回線が一番いいと思います。
楽天モバイルの場合、地方はこれから基地局設置が進んでいきます。5Gの規格ではDSS機能により4Gと同じ周波数をシェア出来ます。1.8GHz帯しかないので、その機能を搭載した基地局で4G+5G対応してくるのでは?と予想しています。
そういう意味では楽天モバイルがドコモに対して地方では対抗馬になるかもしれません。
2020年にMVNOの5Gは使えない?
重複した内容となりますが、MVNOの5G回線の契約がまだ決まっていません。SIMも4Gの時とは違ってくるでしょう。2020年にMNOで5G開始されますが、MVNOは速くても2020年末ぐらいでは?と考えています。来年のiPhone 12が5G対応になることは確定と言えますが、iPhone 12をMVNOで5G利用できることは少し先かなと思います。MVNOやMNOでeSIM対応が進めば例えばメイン回線をMVNOで4G利用し、サブ回線をMNOで5G利用なんて可能性も考えますが、ないでしょうね。5Gを安く利用できるプランがMNOから出てくるとは思えません。せいぜいスマホで利用できないようにロックされたIoT専用でしょう。
(2019年12月18日更新)
総務省からMNOの5Gサービス開始と同時にMVNOも提供出来るよう要請されました。5GをMVNOでもすぐに提供できる可能性が高まりました。しかし価格の話がこれからなのでどこまで早められるかは未知数かと思います。
5G対応スマホの割引
MNOでは5Gを急速に移行させていくために最近始まった最大2万円までの割引にするという規制を5Gで緩和させるように総務省に働きかける話もあります。個人的にはないかなと思います。最近家電量販店でSIMフリー機器の直接発売が始まりました。例えばApple製品や富士通のスマホが販売されています。これを促進すればMNOの意向が入らない競争になり5Gの普及にもいいように思います。MNOを中心としない方向で5Gの競争が進むでしょう。
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